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費用と資金計画
資金計画を立てる
有料老人ホームの入居に際しては、かなりのお金が必要になってきます。入居時、入居後とどのくらい費用がかかるのかを事前に知り、資金計画を立てておきましょう。いざという時のために、預貯金も残しておけるような余裕を持った資金計画が必要です。
最初にどのくらいのお金が必要か
有料老人ホームに入居するには、入居の前に「入居一時金」を支払わなくてはなりません。このお金を支払うことによって、入居者が、この後老人ホームでのさまざまなサービスを受ける権利やホーム内の居室や共用施設などを生涯利用できる権利を得るのです。
金額は200~300万から1,000万円以上と非常に幅がありますが、ご自分の入居する有料老人ホームに合わせた資金繰りが必要です。最近では、入居一時金が低額になった施設もありますが、その場合毎月の費用が高額になることもあるので、事前にしっかりチェックすることが大切です。
入居後、毎月必要な費用はどのくらいか
入居したあとも毎月の食費、水道光熱費、管理費、生活費、医療費と出費は20万円以上かかると思ってください。
費用の捻出方法
では、一般に有料老人ホームに入ろうとする人たちの費用の捻出方法はどういうものがあるでしょうか。
厚生労働省の調査(平成11年10月)によると、
- 自分の預貯金・・・42.9%
- 不動産の売却・・・35.4%
- 退職金・・・・・・・・ 4.9%
- 株や証券売却・・・ 4.2%
- 家族より援助・・・ 2.9%
となっているようです。
入居者自身が準備できる資金はどのくらいか、預貯金や不動産・株式などの資産や年金などの収入を確認しておきましょう。
そして、家族からの援助がどのくらい必要か、どのくらい可能なのかも合わせて計画しておきましょう。
入居一時金とは
有料老人ホームへの入居にかかる費用のうちで、最も多くの割合を占めるのがこの「入居一時金」といえるでしょう。
入居一時金とは、有料老人ホームへ入居の際に支払うお金のことで、「終身利用権」という権利を得るためのお金といえます。
この「終身利用権」というのは、老人ホーム内の共用施設や各個人の居室などを施設に入居している限利用できる権利のことをいいます。
つまり、
権利を買う=住んでいる年数分の家賃の前払い
といった意味合いがあります。
注意したいのは、本人の権利ではありますが、譲渡や転売、相続などはできないということです。
金額的には200~300万円から1,000万円以上とホームによって大きく差がありますので、事前の確認が必要です。
入居一時金というのは、年数とともに償却されます。償却期間は、これもホームによっていろいろですが、一般的に5年~15年を設定しているところが多いようです。中には20年ほどの償却期間を設けている有料老人ホームもあります。
償却期間終了後は、通常そのまま月額使用料を支払うだけでホーム内での生活を続けることができますが、中には新たに契約をしなおさなければならないホームもあります。
また、有料老人ホームに入居した後に要介護の状態になった場合、新たに必要となる費用などが入居金に含まれるホームと含まれないホームがありますので、最初にきちんと確認してください。
なお、最近では入居一時金を支払わなくても、家賃として月額で納めればよい「家賃方式」や1年ごとに支払うやり方など、入居一時金の負担を軽くできるような仕組みを取り入れているホームも増えてきています。
月額費用とその他の費用
月額費用とは
有料老人ホームに入居するには、先に述べた「入居一時金」のほかに「月額費用」が必要になります。入居一時金は、入居前に一括して払うのが普通ですが、月額費用というのは、入居後に毎月支払っていくお金のことをいいます。
有料老人ホームに入居すると実際に生活が始まるわけですから、さまざまな費用がかかってきます。その内、おもに管理費とよばれるものと、食費・居室内で使用する水道光熱費・電話代などを合わせた費用を月額費用としてホーム側に毎月支払うことになります。
管理費の内訳は、共用施設の維持費や職員の人件費などでホームによって設定されている金額は異なっています。だいたい、4万円~15万円ほどかかるようですが、建物が豪華でいろいろな設備が整っているホームほど管理費も高くなる傾向があるようです。
また、有料老人ホームでの食事は大抵の場合、居室ではなく食堂に集まって食べます。高齢者の食事ということで、栄養のバランスを考えた食事となっており、入居者の体調に合わせた料理が出るなどの配慮をしてくれるホームもあります。
一般的に、食費のめやすは一食あたり500円~600円、月額5万円前後です。
なお、ホーム内で食事をしなかった場合は、その分の金額を精算して返金してくれるというシステムをとっている有料老人ホームが多いようです。
その他の費用
その他、毎月支払う月額費用のなかには含まれませんが、有料老人ホームで生活するうえで必要になってくるその他の費用を挙げておきましょう。
- 病気になった際の医療費や入院費など医療に関わる臨時の出費
- オムツなどの介護用品代(介護が必要な方の場合)
- 嗜好品、おやつ代
- 新聞代やNHKの受信料
- 交際費や娯楽費
- 衣類にかかる費用
- 外出した際の交通費など
これらの費用は、入居者のライフスタイルによって必要な金額は変わってきますが、いずれにせよ、少し余裕を持たせた額を準備しておくのがよいでしょう。
入居一時金の初期償却
入居一時金というのは、年数とともに償却される性質のお金です。
この償却の仕方は有料老人ホームによって違いますが、通常は均等に償却されるものではありません。有料老人ホームに入居した時点で、入居一時金の何割かは一括して徴収されます。これを「初期償却」といい、基本的には入居後1日でも経過していれば返ってこないお金です。
初期償却の割合も各ホームごとに取り決めていますが、入居一時金の10~20%程度が一般的な数字です。
つまり、
入居一時金を500万円支払った場合・・・・初期償却費=50~100万円
ということになり、この金額はたとえ入居後、途中で退去したとしても返還されないお金です。
入居一時金が返還される場合
では、入居一時金が償却される前に入居者が亡くなった場合や、途中で有料老人ホームを退去した場合などは、一体どれくらいのお金が返還されるのでしょうか。
返還される金額についても、それぞれの有料老人ホームの規定によりますが、通常は、
(入居一時金-初期償却額)×(償却期間-居住期間)/償却期間
の計算式で表されます。
例えば、
・入居一時金・・・500万円
・初期償却額・・・50万円
・入居一時金の償却期間・・・10年
・居住年数・・・3年
とした場合を計算してみると、
(500万円-50万円)×(10年-3年)/10年=315万円
で、有料老人ホームから返還される金額は315万円となります。
ただし、有料老人ホームが倒産した場合などは入居一時金の返還がないことがあります。また、入居したものの、どうしても馴染めずに早い段階で退去される場合など、返還金をめぐってさまざまなトラブルが発生しています。
このような事態を避けて適正な返還金を受け取るためにも、返還金の保全措置がしっかりされているホームを選ぶことが大切です。
なお、この返還金の保全措置についてですが、平成18年以降に開設される有料老人ホームでは、500万円までの保全が行政指導により義務づけられることとなりました。
介護費用について
各都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム(介護付有料老人ホーム)では、介護サービスに関する費用が介護保険の対象となります。従って、入居者は、申請して要介護認定を受ければ介護保険の制度を利用することができるわけです。
介護付有料老人ホームで介護サービスを受ける場合、要介護の度合いごとにひと月あたり給付される介護保険料が決まっています。そして、被保険者となるホームの入居者は、給付される保険料の1割を自己負担するしくみになっています。
以下に、要介護度ごとに支給される保険料(1日当り)を表にしてみました。
| 保険給付額 | 自己負担額 | |
| 要支援 | 2,380円 | 約240円 |
| 要介護1 | 5,490円 | 〃550円 |
| 要介護2 | 6,160円 | 〃620円 |
| 要介護3 | 6,830円 | 〃680円 |
| 要介護4 | 7,500円 | 〃750円 |
| 要介護5 | 8,180円 | 〃820円 |
介護の上乗せサービス、横出しサービス
介護付有料老人ホームで行われる介護サービスのうち、介護保険の適用範囲内のサービスにおいては、上記の自己負担額のみで介護サービスを受けることができます。
しかし、多くの有料老人ホームの場合、介護保険で定めた介護サービスを超えたサービスの提供を行っています。
この、国の指定基準を超えた金額の介護サービスのことを「上乗せサービス」といいます。
また、介護保険サービスの対象となっていないサービスのことを「横出しサービス」といいます。
こういった、いわば有料老人ホーム独自の介護サービスについては別途費用がかかることになります。
※2006年4月の介護保険法の改正により、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けることのできる有料老人ホームの範囲が広がりました。
外部の事業者からの訪問介護サービスを受けていたホームも、「外部利用型」の指定を受けることで、介護保険制度の適用が受けられるようになったのです。
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